流夜くんも家族を殺されたと言っていた。 先輩も同じように家族を亡くしているということか……。 『ご飯を作ってくれるような家族はもういない』、とも言っていた……。 「……話して、いい?」 「うん」 不安そうに揺れる笑満の声。 その片手を握った。 「遙音くんのお父さんの、仕事関係でトラブルがあったんだって。恨みを持った人が、夜中に侵入して、遙音くん以外はみんな、……殺された」 「………」 手を、握り続ける。