……そんなものは存在しないものだと、笑満ならばわかっているはずだ。
苦しみの只中に立たされたことのある笑満なら。
そして、その只中から手を引かれた笑満ならば。
「わかってるのに、そういうの、ないものだったんだって、わかってるんだけど。やっぱり、なんかまだ後悔しちゃって……。……だから、少し整理つくまではこのまま、今の遙音くんの助けになれたらいいなって思ってる」
「……そっか」
助けになれたら。
笑満らしい言葉だ。
転校生として逢ってから、笑満は常に私の助けだった。
「咲桜は? もう、首は大丈夫なの?」
今日も普通のブラウスだけなのを見て、笑満は私の顔を覗き込むように首を傾げた。



