カウンターの中に入り、アホなこと言っている幼馴染を落ち着けるためにハーブティーでも淹れてやる。


「……いいのか? 流夜、まだ美流子(みるこ)のこと諦めきれてねえだろ」


「……それは仕方ないと言うか……どうしようもないとしか言えないだろう。美流子さんのことは……。諦めるなとも吹っ切れとも、言えないよ」
 

まあな、在義に肯き、お湯を落とす。


「んで? 流夜が娘ちゃんのことは諦めるわけねえだろ。どうすんだ? 逃げ続けんのか?」


「………」


「そしたら箏子のばあさん、流夜を華取の家に置く方選ぶかもな」


「そうなのか⁉」


「あたりめーだろ。親父がいねえ、娘一人の家なんて危ねえだろ。だったら彼氏置いといた方がまだ安心じゃねえか」


「そ、そう、なのか……?」