咲桜は首を傾げながら渡された箱を開ける。


光を反射したそれに、瞳を瞠った。


「え、えっ?」


「そう高いものではないんだけど、……まだ無理だったら持っているだけでいいから」
 

渡したそれは、ネックレスだった。
 

五枚の花弁の華の形のシルバーのチャームは一枚だけ石がついている。桜の色だ。


隣には少し小さ目な三日月のチャームも並んでいる。


「首を」
 

すっと、咲桜の頬に手が触れる。


「さらすだけでは不安だったから、まあ、お守りみたいなもんだと思ってくれ」


「お守り……」


「俺も、いつも咲桜の傍にいたいけど、さすがに状況がゆるさないときとかあるから。……俺の代わりも含めて、な」
 

そっと、囁いた。
 

すると、見上げて来た咲桜の瞳がうるんでいた。