今は、在義父さん――夜々さんは『在義兄さん』と呼ぶ――の言いつけで流夜くんのことをばらさないと言っていたそうだが、二人の関係も含め、ばれるきっかけの危険性が一番高いのは夜々さんだった。


その、夜々さんに?


「……夜々さん相手だったら喧嘩売るようなもんだよ?」


「そのつもりだ。朝間先生には、宣戦布告――しておかないと、と思ってな」


「なんでそんな喧嘩腰なの!」


宣戦布告って!


「個人的な事情だ」


「……私が訊いてはダメ?」
 

流夜くんは結構開けっ広げに話してくれる。


けれど駄目なところは話さない。


しっかり線を引いてくれるのは、これ以上は駄目なんだとわかりやりやいけど、淋しくもある。