びっくりな特技発覚だ。


けど、この辺りに猪がいるという話は聞いたことがない。


宝の持ち腐れだ。残念。


「でもそんなワイルドな料理出来るんだったら、普通のご飯作るくらいわけないと思うんだけど?」


「あー、なんでだろうな……。うまくいかないんだ」
 

床に包丁突き刺すレベルだもんね。


「……咲桜は不思議だな」
 

ふと、流夜くんがそんなことを言った。


「うん? 料理出来ること?」


「いや。話が尽きない」


「………」
 

またそうやって平然と言う……。


「そ、そりゃ、母さんのこととか全部話しちゃった流夜くんに隠すことなんてないし……」


「そうかもしれないけど、自分がここまで話が出来ると思わなかった」


「………」
 

……なんかもうダメだ。


「ごめん、いっぱいいっぱい……」


「ん、どうした?」
 

煙を吹く直前だった。