「教師になった理由が、そろそろ大丈夫そうだから――早かったら、藤城も今年度で辞めるかもしれない」
「え? あと一年はいるんじゃなかったの?」
「そのつもりだったんだけど、もう教職してなくてもよさそうだし、咲桜もいるし」
「……私?」
先生をやめる理由が、私なの?
「もしばれたとき、教師でなかったら問題度も下がるかな、と。引っ越しとかはしないし、本当に学校を離れるだけだから」
繋いだ手に、力がこもった気がした。……え?
「……私の所為?」
「咲桜の所為っていう、俺のためかな」
「………」
私は、手を握り返すことで、答えた。
選んでくれて、ありがとう。
……ごめんね。



