後から駆けて来た松生は、どこか焦った声だった。


そしてまた、遙音を見て固まった。


「笑満?」


「あれ、笑満ちゃんもいたんだ」
 

遙音にも声をかけられた松生は、はっとして次の瞬間には逆方向に駆け出した。


「えっ、今度はなにっ?」
 

逃げ出した松生。


咲桜が肩を抱く俺を見上げてきた。


行って来いと瞳で答え、咲桜は腕を離れた。


「……なんなの、この集団」
 

呆気に取られたような遙音の呟きは、自分はその集団内部である自覚はないようだった。


悪いが俺に関わっちまってる時点も、お前もこっち側だ。