「咲桜? どうした。……知り合いでもいたか?」
挙動不審を案じて言ってくれたけど、心配どころは違った。
しかし口にするのもヘンな話なので、首を横に振って誤魔化した。
手は、繋がれたまま。うあー、顔があげていられない……。でも流夜くんのことは見ていたい……。
実のところ、この駅前周辺も笑満と一緒に来るお店はある。
わざわざ歩かなくても足りるくらいだけど、今は繋いだ手がもったいなかった。
もう少しこのままでいたかったので、少しわがままを言わせてもらった。
「そういや咲桜、訊いてもいいか?」
「え、なに?」
呼ばれて、はっと声と顔をあげた。
その先の横顔を見て、また心臓がバキバキしてきた。いや、ドキドキしてきた。



