朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】



「あいつら、愛子の密偵」


「みっていっ⁉」


「そういうことだ。行くぞ」
 

先ほど触れられた手がしっかり握られ、その場から連れ出された。


「あの、密偵ってなに?」


「一応の偽婚約、どうなってるのか気にしてんだろ。仲違いしつつ婚約者だって言ってもろくに説得力ないし、なら猶更って咲桜の方に近づこうとする奴もあるだろうし」


「………」
 

そう言えば、今はちゃんと恋人関係になっているけど、元はマナさん発案の偽婚約だったんだ。


「だから、あいつら使って調べさせたんだろ。降渡はクライアントが愛子でも仕事として頼まれたら断らないし、吹雪は楽しそうだからって理由でなんでもするからな」
 

な、なるほど……。