「あいつら、愛子の密偵」
「みっていっ⁉」
「そういうことだ。行くぞ」
先ほど触れられた手がしっかり握られ、その場から連れ出された。
「あの、密偵ってなに?」
「一応の偽婚約、どうなってるのか気にしてんだろ。仲違いしつつ婚約者だって言ってもろくに説得力ないし、なら猶更って咲桜の方に近づこうとする奴もあるだろうし」
「………」
そう言えば、今はちゃんと恋人関係になっているけど、元はマナさん発案の偽婚約だったんだ。
「だから、あいつら使って調べさせたんだろ。降渡はクライアントが愛子でも仕事として頼まれたら断らないし、吹雪は楽しそうだからって理由でなんでもするからな」
な、なるほど……。



