「………」
 

流夜くんは一転、無言でそちらを睨む。


降渡さんがカップを置いて近寄ってきた。


「りゅうが本命と初デートということで、尾行しに来ました」


「帰れ」


「冷たいこと言うなよー。俺んときもお前らついてきたじゃん」


「学生と一緒になるな。失せろ」


「やーだよ」
 

ふいっとそっぽを向く降渡さん。


その隙に逃げようとしても、たぶん降渡さんには効かないのだろう。


「諦めなよ、流夜。お返し一つあげるからさ」
 

続いて来た吹雪さんの言葉が謎で瞬いていると、吹雪さんは私を見てにっこり笑った。


「咲桜ちゃん、今日はまた大人っぽいね」