「くっ……」
「……なんで敵みたいな見られ方される」
昨日彼女になったばかりの子にそんな瞳で見られたくない。
けれど、その瞳に映るだけでも嬉しいと思う。
……本音は好意の瞳で見られたい。
「悪かった。咲桜がしてほしいことはないか?」
あまり怒らせてばかりでも嫌なので、訊いてみた。
知りたいことがあったら直接訊くしかない、とは、咲桜で学んだ。
「………」
しばらく恨みがましい瞳で見られた。
可愛い……そう思って頬に手を伸ばしかけ、引っ込めた。
今は咲桜の答えを待っている段階だった。自分の右手を左手で抑える。
「……なにやってんの?」
不審な瞳で見られた。
「気にするな。それで……これくらいならいいか?」



