「めがね?」 乞うと、咲桜は言われたとおりにする。 伊達の眼鏡なので視界に影響はないのだが、外すと、少しだけ咲桜が近くになったように感じる。 「……置いていいの?」 咲桜が困っているので、咲桜の手からそれを取って立ち上がった。 「どうしたの? 学校で外しちゃまずいんじゃ……」 「ん、キスしたくなった」 「ええっ!」 叫ばれた。 その反応が面白くて、からかうように額に口づけた。 「うあ……」 慣れないからか、咲桜からは間の抜けた声が出る。 「……こっちのがよかったか?」