朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】



「めがね?」
 

乞うと、咲桜は言われたとおりにする。


伊達の眼鏡なので視界に影響はないのだが、外すと、少しだけ咲桜が近くになったように感じる。


「……置いていいの?」
 

咲桜が困っているので、咲桜の手からそれを取って立ち上がった。


「どうしたの? 学校で外しちゃまずいんじゃ……」


「ん、キスしたくなった」


「ええっ!」
 

叫ばれた。


その反応が面白くて、からかうように額に口づけた。


「うあ……」
 

慣れないからか、咲桜からは間の抜けた声が出る。


「……こっちのがよかったか?」