「……ごめんな、先に言ってしまって」 「恨むよ」 「……悪かった」 「ばーかばーか」 「……吹雪が見えるからやめてくれ、それ」 咲桜と吹雪にそう接点はないはずだが、重なって見えるのが嫌だ。 咲桜は、困ったように笑った。 「……いいですよ。言い出すの、少し恥ずかしかったし」 「そうか」 ふと、空いている左手が咲桜の顔の方へ伸びた。 「……大丈夫なのか?」 「なにが?」 「いや……今日は首を覆っていないから」