朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】



「悪かったって。だってお前に彼女とか奇跡じゃん。だからさ、咲桜と逢いやすいようにしてやるから邪険にするなよ」


「……お前らが話さなければ今のところ心配はないんだが」


「あっ、あたし絶対誰にも言わない。頼にも言わないから、安心してね、咲桜」


「……ありがとう」


「俺も言わねーよ。今神宮に教師辞められたら俺、わざわざここに入った意味なくなるし。雲居と春芽には俺から報告しておくから、心配するならあっちだろ」


「心配する要素を増やしておきながら言うな」
 

遙音は「あはは」とまた軽く笑った。


なんでお前から報告されてんだよ。
 

松生が少し意外そうな顔をして見上げた。


「遙音くん、先生がいるからここに入ったの?」


「ん? そうだよ。雲居か春芽が教師になっててもそうしたかなー。あいつらが教師になるわけねーんだけど」
 

どっちだ。
 

咲桜も意外だったようで、こちらを見てきた。


まあそれが、俺が教師やってる理由なんだが。