私が恋愛関係に幼いから、だろうか。


自分の気持ちを伝えることで、流夜くんは合わせてくれている。


そんなことが、なんとなくだけどわかっている。


「咲桜……その、無理させてたらすまない」
 

流夜くんはそう考えてしまう自分を責める。


どこまで甘い人なんだ。
 

だから、私から抱きしめ返すことで応える。


「……そんなこと、ないよ。私はちゃんと答えてもないのに」
 

曖昧な形を、また見つけてしまった。


流夜くんはそれでいいと言ってくれたけど。


……今、答えを求めている。自分の中に。
 

そんな私に、流夜くんはまたささやく。


「……こうして傍にいてくれたら、それだけでいいんだ」
 

微かな声。
 

流夜くんの願いを、私は叶えられる人なんだろうか。


もっと相応しい人はいると思う。


私なんかより美人さんで、流夜くんくらい頭がよくて、もっと同じ目線に立てる人は。
 


………いやだ。