細長い指を数えて

 絞まった細手首をつたい

 醜いみにくい手首にさしかかる。

 笑顔を作るのは得意だった。

 優しさを見せるのも

 人を誉めるのも得意だった。

 全ては過去のこと。

 いつの日か出来なくなったそれたちは、醜いトゲのように私の胸の間によく食い込みとれないでいる。


 それからは、

 息を吐くように、毒の煙のように毎日が少しずつ死んでいく。

 私の何もかもを殺していくように。