「りゅうやくん……」


「うん?」
 

咲桜をぎゅうと抱きしめて、その背中を撫でる。落ち着かせるみたいに。
 

咲桜の呼吸に乱れはない。静かな心音に揺られながら、ただ穏やかだった。


「……しあわせ?」


「幸せだよ。咲桜のおかげで」


「そっか……」
 

へへ、と、咲桜が照れたように笑った。


「……責任、どうすればとれるかな……」
 

少し身体を離して、咲桜の顔が見える距離にする。


咲桜は真剣な顔で悩んでいた。変な所真面目だな。


「そうだな……。たまにでいいから、こうしてもいいか?」


「どうするの?」


「こうやって、傍にいてほしい」
 

こつん、と額と額がくっつく。俺が風邪のときにしたのと同じ動作だ。