「え……ほんと?」
 

昼休み。
 

様子の――というか挙動のおかしい私を、笑満が中庭へ連れ出した。


いつもは頼と三人でご飯を食べるけど、今日は笑満が断って二人きりになった。
 

なんでそんなことをするかと言えば、私が、歩けばが壁や柱に激突する、ペンケースやら教科書やらを持てば落とす、などなど明らかに動揺が見られるからだろう。
 

笑満に、「紅いんだか蒼いんだかわからない顔色をしている」と言われた。


……どんな状態?


「ほんと。……昨日、流夜くんのところにいてしまいました……」
 

私の告白に、笑満が三秒ほど黙った。


「―――えええええ⁉ 色々と訊きたいことだらけだけど、名前で呼ぶようになったの……? な、なにが――あったの?」
 

笑満は動揺を隠さずに、私の腕を摑んできた。


逃がさんと言わんばかりだ。


私は、自分の額に片手を当てた。


「それが……憶えてなくて……」