自分が離さなかった所為で、相当寝苦しかっただろう。


って言うか、え? なんでこんな近いの?


慌てて離れると、流夜くんは身体を起こした。


「在義さんに謝る内容が増えた」
 

からかうような口調で言われて、私は閉口した。


うう……また迷惑を。


「気にするな。原因は俺だから、ちゃんと謝るよ」


「原因?」


「そう。……もしかして忘れたか?」
 

流夜くんは軽く眉をひそめている。


私は必死に記憶を振り返るけど、桃子母さんのことを話して、眠ってしまって、というところまでしか思い出せなかった。
 

その様子でなにかを悟ったらしい流夜くんはため息をついた。


「まあ……いいよ。忘れてて」