「在義さんの大事な娘をこんな至近距離で抱き寄せたって知られたら、俺は射撃の的にされる」


「どんな状態ですか⁉」
 

さっきみたいに、咲桜が大きく叫んだ。


いつもの咲桜の反応。


それを見た俺は、くすりと笑う。


「咲桜は自覚ないかもしれないけど、在義さんの娘バカは警察内部では有名なんだ。いつも愛娘の写真を持ち歩いているけど、見せて惚れられたら嫌だって言って、男の職員には見せたことがないとか」


「え……ほんとですか?」
 

在義父さん、そんなことしてんの? と、咲桜は、たぶん今度は違う意味で頬を引きつらせた。


そして、ちゃんとそう呼んだ。