そうして30分後。 大吾は副島の家にお邪魔していた。 なんでこうなったんだ。 「この子が、柴犬のメロちゃんです」 「お、おう……」 赤毛の柴犬がつぶらな瞳を大吾に向けて、舌を出してハッハッと言っている。 「メロちゃんのお尻を見てもらうなら、散歩に付き合ってもらうといいと思うのです。わたしの後ろを歩いてください」 「は?」 五回目。 副島は散歩の準備をすると、家を出た。 大吾はその1メートル後ろを歩く。 女子のあとをついて回るって、知らない人が見たら怪しいやつと誤解されないか?