永実には悪いことを想像してしまう、嫌な癖があった。 だから、つい考えたのだ。 もしもここでコンビニ強盗が入ってきたら……なーんてね。 と思ったところで、全身黒づくめで目だし帽を被った男が入ってきて、 「金を出せ!」と店員にナイフを突きつけた。 えっ……まさか。 い、今のキャンセル! キャンセル! 妄想じゃないわ! と永実は心の中で慌てたが、すでに起こったことはどうしようもない。 コンビニ強盗はレジの前に立ったままだった。 永実は音を立てないようにそうっと雑誌を戻した。