さっきので確実に熱が上がった。 健兄は何を思ってあんなことしたんだろう。 ドキドキが治まらない。 心臓が止まって、死ぬかと思った。 「あーもー!」 気持ちがおさまらなくて一人で叫ぶと、体を起こした。 健一が切ってくれた桃が目に入り、フォークで突き刺して口に運ぶ。 「……甘い。美味しい」 桃が冷たくて気持ちよかった。 (微熱、終わり)