「く、黒木さ……」
「本当に、申し訳ございませんでした」
驚く私に、黒木さんは謝り続けるだけ。
「あ、謝るなら、私の方じゃ……」
意識、飛ばしちゃったし……
恥ずかしくてさすがにその先は言えず黙り込むと、黒木さんは口を開いた。
「いくらお嬢様に男というものを分かって頂きたかったとはいえ、意識を飛ばしてしまうほど、無理をさせてしまいました」
そういうこと、か……
私が意識を飛ばしたのは、行き過ぎた行動のせいだと、思ってるってこと。
そんなの、謝ることじゃないのに……
そもそも、いくら執事とはいえ、黒木さんは年上の男の人。
そんな人の前で、何も考えず、悠長に服を脱ごうとした私が悪い。
いくらボタンだけとはいえ、結局脱ごうとしたことには変わりないしね………
「本当に、申し訳ございませんでした」
心から落ち込んでいるような、シュンとしたような弱々しい声。
普段クールな黒木さんが謝るだなんて、調子が狂ってしまう。