「いいですかお嬢様。男というものはこうして女性に目の前で服を脱がれては、誘われてると思ってもおかしくないのです」


「ふ、服を脱ぐ?
私はただ、ボタンを外しただけで……」


あ~もうっ!

近い近い!!


鼻がくっつくほど近すぎる。


「それだけでもです。男は単純ですから、お嬢様がボタンだけと思われていても、そうではないのです。例えば、私も………」


「っ……!!」


腰に腕がまきついて、黒木さんの顔は私の耳元へまっしぐら。


「ほらこうやって。お嬢様の首をなでることなど、たやすい………」


「ひゃっ……!!」


首から鎖骨へ。

ゆっくりゆっくり這わされた指。


いくら白い手袋をして直に触られていないと分かっていても、身をよじるほどくすぐったい。


「っ……可愛い。たまらない反応をなさいますね」


「んっ……!」


そして、耳たぶにそっと落とされる口づけ。


「可愛い。可愛いすぎです、お嬢様……」


そう囁いた後、再び耳へと何度も落とされる甘い口づけ。


「んっ、は……くろ、き……さ…」