結局、彼は私の体が目的で。


最初から好きで、付き合おうと言ってきたわけじゃなかった。


なかなか素直に甘えられない私の性格を、好きだと、可愛いと言っていたのは、すべて嘘。


ただ私とそういうことをしたいがために、告白してきただけってこと……



ははっ。



「バカみたい………」



乾いた笑いが零れた後、ぽたぽたと教室の床に涙が落ちていく。


一目惚れだと言われて、浮き足立って付き合ったりするから。


両親の話を聞いて、もしかしたら自分も……なんて、無駄な期待をしたから。


こんな、惨めな終わり方になってしまった。


次の日学校に行くと、彼はもう別の女の子と付き合ったという話を聞いて。


もはや、泣く気にもなれなかった。



大好きな両親が亡くなって。

挙句の果てには、大好きな彼氏にも裏切られ。



「もう、いや……っ」



絶望した私は学校を飛び出し、そのまま駅へと、歩道橋へとやってきた。