お嬢様、今夜も溺愛いたします。


「もし興味があるなら俺に言ってよ。案内するし」


「えっ!?
いいの!!?」


うーんと悩む横で、どっか行け、離れろと部活勧誘に暴言を吐く紗姫。


「もちろん。でも………」


「でも?」


「いや、なんでもねーよ」

「ん?」


慌ててその先の言葉をつぐんでしまった。

なんだろ?


「どうかした?」

「んーん、なんでもねーから気にすんな」


「そう?」


ならいいんだけど……


そう首を傾げていたのも束の間で、気づけばエスカレーターを降り、エントランスに着いていた。


「おっ、もう美都のお迎え来てんじゃん。さすがは黒木様」


「えっ、うそ!?」


もう来てるの!?


優秀な執事だ、なんて冷やかす紗姫の横で慌ててローファーに履き替えて自動ドアを抜ければ、キャーキャーと騒ぐお嬢様たちの軍団が。