お嬢様、今夜も溺愛いたします。



ま、別に黒木さんに想い人がいようがそうでなかろうが、私には関係のないこと。


私は黒木さんを執事とするお嬢様で。


黒木さんは私の専属の執事。



執事とお嬢様。


たったそれだけの関係だもん。


それ以上でも以下でもない。


「おーい。
紗姫ーーーー
戻っておいでーー」


まだうんうん唸って考え込んでいる紗姫。


黒木さんのこと、そんなに気になるのかな?


私が声を掛ければ、その顔のままこっちを向いた。


「紗姫って、面白いね」



あまりに間の抜けた顔に思わず噴き出せば、紗姫もぶぶっと噴き出した。


「それはこっちの台詞だよ!!」


「はいはい。もう昼休み終わるし、ささっとご飯食べちゃおうねー」


「って、美都ってば絶対面白がってるだろ!!」


「アハハっ!!」



それから私たちは昼休みの終わりのチャイムが鳴るギリギリまで、この学校のことや紗姫の武勇伝で盛り上がっていた。