お嬢様、今夜も溺愛いたします。

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「美都!!
お昼って、お弁当?」


「八神、くん……」


やっぱり来たか……


4限目のチャイムが鳴り、わっと騒がしくなる教室。

案の定、八神くんは私の元へやってきた。



「ランチどうするー?」


「最上階のレストランとかどう?」


「え、あそこって五ツ星だっけ?」


「らしいよー
三ツ星のシェフがいたらしいけど、まずいってクレームが入って、五ツ星のシェフが来たんだって。しかも、超イケメンらしいよ?」


「え、ほんとに!?
やった!!行こ行こ!!」


なんてお嬢様たちがキャッキャウフフと会話を繰り広げてる横で。



「美都ーお弁当さ、今日天気良いし外で食おうよ」


そう言ってお弁当を出していた私の手を取る八神くん。


お弁当って……


なんてお嬢様たちには変な目で見られたけど、こっちからして見ればあんたたちの方がおかしいっつーの。


なによ、三ツ星シェフがまずいからってクビって。


だいたいね、そんな美味しいご飯食べられることにまずは感謝すべきでしょうが!!


そう思いつつも口には出さず、八神くんと教室を出た。