「ほんと、すみませんでした……」
シュンと頭を下げる姿すらも可愛くて、そっと小さな頭を引き寄せた。
「だからさ、その時誓ったんだよ。
もっと立派な大人になって自信を持って美都を迎えに行ける男になろうって」
美都が姿を見せなくなったのは、あの旦那様と呼ばれる人物が関係してると思っていた。
「え、どうしてここでおじいちゃんの話が……?」
首をかしげる美都を見下ろし、ふっと笑う。
「美都が皇財閥のお嬢様であることはその時から知ってたから」
「え……?」
ますますハテナマークを浮かべる美都の髪をなでて、俺は続けた。
「前に旦那様、美都が小さい頃会ったことがあるって言ってただろ?」
「ああっ、はい」
「その時だよ。旦那様は、時々美里さんの顔を見に、病院まで足を運んでいた。俺を看てる最中に来たこともあったから、俺もその時から面識はあったよ」
「ええっ!?」
そりゃあ驚いてもおかしくない。
自分の祖父と、執事の俺がまだ小6だった頃からの知り合いだなんて。



