「美都、ちゃんとご挨拶して?
こちらはお母さんが担当している患者さんの、黒木 十夜くん。美都の4つ年上で6年生なのよ」
「こっ、こんにちは……」
よく患者さんと接していたことや、お父さんのお店を手伝ったりすることもあって初対面の人には欠かさず挨拶をしていた私。
だけど……
「………」
む、無言……
私の挨拶が聞こえていないのかなんなのか、何も反応してくれなかったよるくん。
「緊張してる?
大丈夫よ。うちの子は誰よりも優しくてよるくんのいう女の子とは違う。私が保証するわ」
「美都も。よかったら仲良くしてあげてね」
「うん!
えっ、えっと……とうや?ってどういう字書くの?」
「……漢字?」
「うんっ!」
小さい声だったけれど、応えてくれたことが嬉しくて。
「十に、夜、だけど……」
「綺麗な名前だね!
よるくんって、呼んでもいい?」
「……いい、よ」
「やった!」



