「………」
その後男はふらふらっとしてお店を出ていった。
もう二度と来ないでほしい。
「大丈夫ですか、お嬢様」
「は、い……」
はぁはぁと息が乱れるほど声を荒らげていたことに今更気づいた。
周りが見えなくなるほど、心が悲鳴を上げていた。
「今日はもう閉店しましょうか。
時間も時間ですし、お嬢様もお疲れのようですから」
その優しさが心に染みて、じわっと目元が熱くなる。
「こんなところで泣かないで下さい。
私のためになくのなら、もっと……ベッドの上がいいですから」
「……それ、別の意味で言ってますよね?」
「ふふっ、お嬢様の心が全て私のものになった暁には、毎日でもそうするつもりですけどね」
!!?
「朝になっても離しませんし、なんなら土日はずっとベッドの上で過ごすってのもありですよね」
「なっ、なんてこと言ってるんですか!」
「もちろん冗談じゃなくて、全て本気ですけど」
「っ〜!!」
ふっとからかいを含んだ笑みに顔が熱くなる。



