お嬢様、今夜も溺愛いたします。

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「紗姫っ!界さんっ!」


「美都っ!」

「美都ちゃん!」


慌ててリムジンに乗りお店へ向かうと、案の定あの男がいた。


今日は紗姫がシフトで入ってたらしく、界さんは様子見がてら付き添いで来たらしい。


今お店には別の従業員の人が立っている。


念の為にと私は表の実家から、お店の様子を窺っていた。


「バイトしてたら急にあの男が現れて、美都いますか?って」


「紗姫ちゃんからクソ野郎だって聞いてたから、追い返そうと思ったんだけど、しぶとくて」


「しぶといって?」


隣にいた十夜さんが声を潜めて問いかける。


「どうせ皇邸の方へ行っても追い返されるだけだろうから、ここに来た。美都を出せって。美都を出してくれるまで帰らないって」


「お嬢様を出す気はありませんって俺も部下たちも言ったんだけど、出せの一点張り。正直武力で捩じ伏せてもいいんだけど、あーいうタイプはキレたら何をするか分からない」



界さんも一色さんも、みんなが申し訳ないと私に謝る。


私のせいなのに。