お嬢様、今夜も溺愛いたします。



そして話は冒頭に戻る。


「あの方が、お嬢様の……」


「はい……前にチラッと話したかもしれないんですけど……」


翌日の日曜日。

帰ってきてそのまま部屋に閉じこもった私はいつの間にか寝てしまったようで。


「おはようございます、お嬢様」


まぶしい光に目が覚めると、ベッドに十夜さんが腰かけていた。


「すみませんでした昨日は……」


十夜さんだけじゃない。

紗姫も、界さんにも。


呼び止める声を無視して私は泣きながら帰ってしまった。


「そんなの気にする必要ないですよ。
話は八神様から聞きました」


「紗姫から……」


そっか。

紗姫には転校初日に話したんだっけ。


あの人にこっぴどく振られたせいで、自殺への道を選ぶことに拍車がかかったって。