「たぶんこの部屋の隣も、誰か別のカップルがいる。ここに入る時チラッと見えましたから」
「うそ……っ」
「それに今日は、学内中がお祭りムード。多少声が漏れても人の声に紛れるだけですから」
「んっ……ぁ…」
クスッと笑った十夜さんは、ふたたび私に甘い熱を落とす。
「だから抑えないで、もっと聞かせて。
俺の所為なんだから、美都はずっと俺に愛されてばいい」
そう言ってまたふれるだけのキスを落とす。
「もう……む、りっ……」
「まだだめです。
まだまだ離しませんから」
今度は有無を言わさず塞がれた。
いつの間にか脱いだらしいタキシードも床に落ちていて。
涼やかな漆黒の目が、今は濡れて燃えている。
「もっともっとお嬢様を私に下さいね」
それからは私が音を上げても、降り注ぐキスの雨がやむことはなかった。



