お嬢様、今夜も溺愛いたします。



途端に周りの女の子たちがシーンとなる。


えっ!?


「行こうぜ美都」

「うっ、うん」


驚く私とは反対に、紗姫はすいすい教室の中へ入ろうとする。


「ちょっと紗姫ちゃん!
早く私に会いたい気持ちは分かるけど、財閥の名前で押し通すなんて!」


「会いたいとか言ってねえっつーの。
しょうがないじゃん。外にいる女たちがうるさすぎて、耳ぶっ壊れると思ったんだよ」


「今回ばかりは、八神お嬢様に同感だな」


「十夜さん!」


「いらっしゃいませ。
お待ちしておりましたよ、お嬢様」


「けっ!
美都にばっかいい顔しやがって」


「うるさいですね。
あなたには大好きな界がいるでしょう?」


「別に大好きとかじゃねーから」


「そんなっ!
紗姫ちゃん、私のこと嫌いだったの?」


「そっ、それは……」


「はいはい4人とも。
みんな見てるから。
まずは美都様と八神様を席にご案内」


「一色さん!」


「いらっしゃい美都ちゃん!」

「月菜さんも!」