お嬢様、今夜も溺愛いたします。



「あの、護衛してくださるのはありがたいんですけど……その格好、どうにかなりませんかね?」


「申し訳ございません、それも黒木様からのご指示ですので」


「………」


周りに明らかSPの人がいると分かれば、不用意に話しかけてくることはないって思ったのだろうか。

今日ばかりはめいっぱい楽しもうかと思ってたけど、仕方ない。


前のクッキーの件で迷惑かけちゃったし、今日は外部からもたくさんの人が来ている。


トラブルだって起きてもおかしくないしね。


「分かりました。
じゃあ今日一日、よろしくお願いします」


「かしこまりました」


「じゃあさっそく行こうぜ!
存分に黒木を冷やかしてやる!」


「それはやめといた方がいいと思うよ」


ルンルン気分で先を行く紗姫を追いかける。

十夜さんたち、どんな姿に仕上がってるかな?