お嬢様、今夜も溺愛いたします。



「ちょっ、十夜さんっ……!」


抵抗しようとしても、両手を掴まれ身動きが取れない。


ただただ何度も重ねられる唇に私はされるがまま。


「嫉妬、しました」


「え?」


やっと解放された頃には私の息は切れ切れ。

対して十夜さんはいつも通り淡々としていて。



私ばっかり翻弄されてる気がする……

なんて思ってると、ぎゅっと強く抱きしめられた。


「私よりも、界や一色のことを気にして。
目の前に私がいるのに、他の男なんて見ないでください」


ぎゅうぅぅぅっと抱きしめる腕に力がこもり、十夜さんが話す度に私の頭が揺れる。


きっとあごを乗せられているんだと思う。


「当日、来ないでください」


「え?」


「いやです。
お嬢様が他の男に目を向けるなど。それにお嬢様は世界一可愛いですから、絶対クズ共にナンパされます」


「世界一なんてそんな……」


「私の世界の中の1番はずっとお嬢様ですから。それより、絶対来ないでくださいよ?」


「どうしても、ですか?」