お嬢様、今夜も溺愛いたします。



「えっ!?
ほ、ほんとにいいの?」


「ああ」


「ほんとに?」


「ああ」


「やったぁぁぁーーっ!!」


これで無事に帰れる!なんて喜んでいた月菜さんだけど、急にピタっと止まってニヤニヤした顔で私と十夜さんを見比べる。


「はっはーん?なるほどねえ。
美都ちゃんが界さんと聖の姿を楽しみにしてるから嫉妬したってわけね?」


「えっ!?」


「うるせえ。
さっさと帰れ」


頬杖をつきながら、しっしと追い払うように睨む十夜さん。


「はいはい、邪魔者は帰りますよーだ!
じゃあ美都ちゃん、またね!
十夜、当日忘れないでよ!」


それだけ言って光の速さで月菜さんは帰って行った。


「………」


「………」


途端に静まり帰る部屋に、居心地が悪くなる。


「食べかけのサンドイッチでも食べましょうか?」


なんとか気まずい空気を消すように十夜さんに話しかけると。


「んんっ!?」


気づけば十夜さんの顔がドアップに。