「いやだっつっただろ」
月菜さんが口を開く前に、その先を言わせまいとするかのように告げる十夜さん。
「そんな硬いこと言わずにさぁ〜!
協力してよ!!」
「いやなもんは嫌だ。
つーか今、忙しいんだよ」
「知ってるよ。
美都ちゃんの実家のお花屋さんでしょ?
だから準備はいいから、その分当日だけって言ってるじゃん」
「無理」
頑なに断り続ける十夜さん。
一体何が嫌なんだろう?
不思議な顔をしていたのに気づいたのか、月菜さんはあのね!となぜか鼻息を荒くして、顔を近づけてきた。
「おい、近い」
隣で十夜さんがそう言ってるけど華麗にスルー。
「うちの大学にはね、執事メイドサークルってものがあるの!」
「執事メイドサークル?」
なにその謎のサークル名……
「ほら、うちの大学ってお嬢様やおぼっちゃまの家で執事やメイドをしてる人多いじゃない?そう言った人たちが入ってるサークルなの!」
ちなみに私も入ってるよ!と教えてくれた。



