お嬢様、今夜も溺愛いたします。



「今週の土曜、うちの大学でなにあるか知ってる?」

「知ってるもなにも俺には関係ない」


「そんなこと言ってー
本当は私が今日来た理由もなんとなく想像ついてるんじゃないの?」


ニヤニヤ笑う月菜さんをこれでもかと冷酷な視線を送る十夜さん。


「あ、あのっ、大学でなにかあるんですか?」


私は転校してきてまだ2ヶ月ほど。

高校ならまだしも、大学のことはほとんど知らない。


「あっ、そっか!
美都ちゃんは転校してきたばっかりだもんね!
毎年この時期にはね、大学で学園祭があるの!」


「学園祭、ですか?」


「そうなの!
4年に1回開かれるんだけど、内部の生徒はもちろん、この日だけは外部からもお客さんを入れるからすっごい盛り上がるんだよね〜!」


学園祭かー


そういや前にチラッと紗姫が言ってたっけ。


高校の方ではないけど、大学の方では大きいのがあるって。


「でもそれと、十夜さんになんの関係が……?」


首をかしげると、待ってました!とばかりに月菜さんは目を輝かせた。