お嬢様、今夜も溺愛いたします。



「改めまして、十夜の妹の黒木 月菜です!
よろしくね、美都ちゃん!」


「よ、よろしくお願いします……」


メイドさんが温め直して持ってきてくれた紅茶を飲む私と十夜さんの正面で、元気に挨拶をする月菜さん。


なんだか十夜さんとは正反対のような……


クールで大人の雰囲気が当てはまる十夜さんと、

元気でテンション高めの月菜さん。


同じ兄妹とは思えないほど、性格が真逆だ。


強いて言うなら艶々の黒髪と芸能人かと思うほど整った容姿が共通点なくらい。


思った通り歳は19で、私の2つ上。

十夜さんと同じく、星水学園大学に通う1年生だそう。


「にしても、ほんっと可愛くなって」


「え?」


また、この反応……

十夜さん、一色さんと来て、月菜さんも小さい頃に会ってる?


まあ、十夜さんの妹さんなら会ってて普通だもんね。

でも本当に記憶がない……


「で?なにしに来たわけ?」


なぜかさっきから不機嫌を隠さない十夜さんの前で、優雅に紅茶を啜る月菜さん。


「そんな恐い顔しないでよ!
美都ちゃんと過ごすせっかくの休日にお邪魔したのは悪いと思ってるって」


「………」


さすが妹さん。

お兄さん相手ということもあり、色々直球。