お嬢様、今夜も溺愛いたします。

「あ、あの十夜さん?
私は誰よりも十夜さんをかっこいいと思ってますから……」


何やら色々恥ずかしくて、とりあえず思ったことを伝えてみる。


私の目にはもう、十夜さんしか見えてないというのに。


「はー……っんとにお嬢様は」


クルッと正面を向かされ、少し赤くなった顔が私をとらえる。


「どれだけ好きにさせたら気が済むんです?
ここがお店だということを忘れてしまうので、外でそんな可愛いこと言うのは反則です」


そして、ゆっくり唇を指でなぞられた。


「この唇も……私を、誘惑してます?」


「ちっ、ちが……っ!
これは紗姫と界さんからもらったリップグロスで……」


「へぇ、あの二人に?
昨日お誕生日でしたものね。
まあ、それはなんら構わないのですが……」


「へっ?」


「お屋敷に戻ったら、覚悟しておいて下さいね」


にこりと笑って、耳元で囁く十夜さん。


「かっ、覚悟って……」


「もちろん、私にキスされる覚悟ですよ。そんな誘ってるみたいな唇して私が我慢できるとでも?前にお伝えしましたよね、抑えるつもりはないって」


「っ!!」


最後に耳たぶに優しい熱が落とされて、十夜さんは離れる。


「意識されるのは分かりますが、バイトだけはしっかりなさって下さいね?」


意地悪に微笑んで十夜さんは紗姫たちの方へ歩いていく。


もう、どうしよう……


昨日から十夜さんの言動すべてが甘くて、今にも胸が張り裂けそうだよ……