お嬢様、今夜も溺愛いたします。



「一色」


クスクス笑うその声に、チッと舌打ちする十夜さん。


「あれ、あなたは……」


その名前に聞き覚えがある。


確か前に……


「この間は自己紹介する時間がありませんでしたものね。初めましてお嬢様。皇家の専属SPをしております、一色 聖(イッシキ セイ)と申します」


「専属、SP……」


ビシッと真っ黒なスーツに身を包み、耳にイヤモニをつけて身長も体つきも大きい男の人。


以前会った時と変わらず、真っ黒な髪はオールバックになっていてキツめの印象だけど、今はどこかやわらかい雰囲気。


歳は十夜さんと変わらない、20代前半に見える。


「お嬢様方がここでバイトをされるにつきましては、私どもSPがお店の周りを警護、巡回致しますので、ご安心を」


「は、はあ……」


「この者たちはみな、私の部下です」


途端に部下の人たちは恭しく一礼したもんだから、私も慌てて頭を下げる。


なんだか、漫画の世界でも見ている気分。