「ずっと寝ていたら何をしてくれるのかと思っていたのですが、まさか覆いかぶさってくるとは」
口角を上げてクスリと笑う十夜さんに、私の鼓動は最高潮に。
「ず、ずっと起きてたんですか!?」
「もちろん。お嬢様が入ってきた時からずっと」
そ、そんなぁぁーーっ!!
穴があったら入りたい……
「わ、私は昨日助けてもらったお礼と、風邪を引かせてしまってことをお詫びしようと思って……」
「お嬢様のために引いた風邪など、私にとってはご褒美ですのに」
「わ、分かりかねますっ」
風邪を引くのがご褒美ってどういうこと!?
「こうしてお嬢様から襲ってもらう望みも叶いましたし?」
「ううっ、それは引っ張らないで下さいぃぃぃぃ……」
「お嬢様がどうしても私の風邪を気にするのであれば、一つお願いしてもよろしいでしょうか?」
「お願い?」
「そうです。それを聞いて下されば、お嬢様の心も少しは軽くなるやもしれません」
「わ、分かりました……」
「言いましたね?」
「へっ?」
「後からなかったとか、なしですからね?」
「わ、分かりましたから、とにかく離れて!!」
心臓が持たないっ!!
「嫌です」
「はっ?」
火照ったはずの頬が、一気に冷えていく。
「お嬢様。看病のお時間です」



