十数秒後。
「黒、木……さん?」
「はい」
「い、いえ、なんでもないです……」
いつになってもその熱が降ってくることはなかった。
「待ちきれませんか?」
「そ、そういうわけでは……」
「そうですよね。早く甘くとろけたいですよね」
もちろん、うんなんて言えるはずない。
「そのままですよ、そのまま。
絶対目を開けないで下さいね」
「は、い……?」
再度念を押し、私から手を離した黒木さんが、ベッドから立ち上がる音がする。
え……?
ただ困惑して動けないでいると、黒木さんが何かをガラガラと持ってくる音がする。
「お嬢様も私も、焦らしプレイは嫌いですからね。では、目を開けて?」
焦らしプレイってなに?
ハテナマークが漂う頭の中、ゆっくり目を開ければ、
「こ、これは一体………」
目の前には、色とりどりのバラやエディブルフラワーが乗った六段のモスグリーンのもの。



