「お嬢様。
目を閉じていただけませんか」
「目を……?」
言われた通りゆっくり目を閉じれば、一層ドキドキが速まっていく。
「そうです。
いい子ですね、お嬢様は」
「んっ……」
まぶたの上に柔らかいものが押し当てられて、体がピクっとなる。
「大丈夫です。そのまま……」
ああ私、今夜黒木さんと……
両頬にじんわりと熱が伝わってくる手が当てられて、黒木さんが徐々に近づく気配がする。
「お嬢様……」
色っぽくかすれた低い声。
「そのままずっと目を閉じて、私の声だけを聞いていて下さい」
「は、い……」
なんとか絞り出した声は震えていたけれど、黒木さんの優しいその手に安心して私は身を預けることに決めた。



