「とにかくです。
お嬢様は何も気にせず、私にすべてを預けてもらえれば大丈夫ですので」
そう言われて近寄ってきた黒木さんは、
「私に掴まっていて下さいね」
ふわっと私を持ち上げたかと思うと、スタスタとベッドの方へ歩いていく。
ま、待って!!!
心の準備がっ!!
「ま、待って下さいっ……!!!」
「待ちません。
私は、この時をずっとずっと待ち望んでいたのですから」
「く、黒木さっ……」
そっとベッドに下ろされた私の隣に黒木さんも腰かけると、グッと距離を詰めてきた。
「今夜は、お嬢様と私のふたりきり。
声のことなど、まったく気にしなくていいですよ」
「っ……!!!」
スルッと頬を撫でられて、じっと射抜くようなな視線が向けられる。
「心臓、すごいです」
「んっ……」
首の脈の部分をつつーっと上から下へとなぞられて、変な声が出てしまう。
「ふふっ、たまんないですね」
ドキッ────
ペロッと唇を舐めるその姿は、今にも獲物を狙う肉食動物のようで。
かぁっと全身が熱くなって、両手で口を覆う。
「お嬢様。その甘い声、もっともっと聞かせて下さい。私しか、聞いておりませんので」
そう言うと、部屋の明かりを二段階ほど暗くする。
それが恥ずかしいって言ってるのに!!
黒木さんからあてられる色気ダダ漏れの雰囲気に、心臓が壊れそうなほど暴れている。
少し暗くなったせいか、より一層黒木さんの瞳が妖しく光った気がした。



