「だ、だからって他のメイドさんたちに見られても大丈夫なんですか?」
この家にいる黒木さんを始め、どのメイドさんも執事も、いつ見てもキチッと制服を着ている。
いくら暑かろうが、腕まくりはあっても、ネクタイやボタンを外すことは絶対しない。
「大丈夫ですよ。
今この家にいるのは、お嬢様と私だけですから」
「えっ……
えええぇぇぇーーーーっ!!」
「そんなに驚くことですか?」
「驚くもなにも……っ
ど、どうしていないんですか!?」
「私が、今夜はいないようにと屋敷にいる者全員に伝えましたから」
最上級の笑顔で見られても……
ていうか、なぜそんなことを!?
「もちろん、お嬢様の甘い声を誰にも聞かせたくないからに決まっています」
「は?」
「前にもお伝え致しましたよね?
お嬢様のぜんぶは私のものだと」
「………」
「私の腕の中での甘い声など、誰にも聞かせたくありません。もし万が一聞かれるなんてことがあればその時は……」
「その時は?」
「拒否権なしに、ころ……いえ、お嬢様前でそんなこと、恥ずかしくて言えません」
恥ずかしい!?
今絶対、物騒な言葉言おうとしましたよねぇ!?



